今回は、心臓病についてのお話。
当院でできること②(今回は、当院の得意なところ...)
ひとみ動物病院では、心臓病を診断、治療できる機材そしてスタッフが充実しています。
ワンちゃんの死因のトップにある心臓病。
一昔前、フィラリアという寄生虫が心臓の中に寄生することによって
右心不全をきたす、フィラリア症による心臓病が多かったですが、
最近は、ご家族の予防知識が高まっていることや、
犬小屋ではなく同じ家の中で、家族としてワンちゃんを迎えることが多くなったことで
かなり少なくなってきました。
近年は、私たち人と同様、ワンちゃんの寿命も長くなったことで、慢性弁膜疾患が増加しました。
心臓内で血液が逆流しないように存在する弁(僧帽弁)が、加齢性に変性、肥厚し、
心臓内の血流に逆流が生じてしまう疾患である、僧帽弁閉鎖不全症(粘液腫様変性性弁膜疾患)が
ワンちゃんで多くみられる心臓病です。
特に、僧帽弁閉鎖不全症はトイプードル、マルチーズ、シーズー、チワワなど小型犬種に多い疾患で、
日本では小型犬種が人気なため、よくみられる疾患です。
進行すると、血液が心臓内に貯留することで、心拡大が起こり、
胸腔内にある気管を圧迫するため”咳”が認められます。さらに進行すると、心臓の収縮力が弱くなり、”運動不耐性”という
運動をすると疲れやすい症状が認められます。また、うっ血が重度になると肺に水が溜まる”肺水腫”が認められます。
肺水腫は、すぐに病院で治療しなければなりません。
近年は、獣医学の発展により、
心臓病のワンちゃんをより長生きさせる、あるいは寿命を全うできるまで心臓病のおクスリで治療できるようになりました。
進行具合にもよりますが、それぞれに合った治療法が存在します。
また、僧帽弁閉鎖不全症は、外科的治療(開胸手術)で治療することもできるようになってきました。
治療法を選択するために必要なのが心臓検査です。
1、身体検査
2、心電図検査
3、血圧検査
4、レントゲン検査
5、心臓超音波検査
これらを、総合的に判断し、
今現在の心臓病の重症度(例えば、おクスリが必要なのかどうか?、今している治療が的確なのか?)を診断します。
これらの検査の利点として、麻酔が不要なところで、ワンちゃんの負担も最低限で行えます。
高齢(例えば8歳以上)になったけど、心臓の具合はどうかな?とか、
以前、心臓が悪いといわれたことがあるなど。
最近、咳が増えてきた、疲れやすい、呼吸が速い等の症状が少しでもみられた場合は、
相談してください。必ずしも、前途の検査が必要とは限りませんので、まず説明をさせて頂きます。